ゴナドトロピン
ゴナドトロピンについて
ゴナドトロピンとは、性腺刺激ホルモンともいわれ下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)等を指します。ゴナドトロピンにより、卵巣から分泌されるエストロジェン(卵胞ホルモン)やプロジェステロン(黄体ホルモン)の分泌量が調整されます。
卵胞刺激ホルモン(FSH)は、
・卵巣における卵胞の成熟を促す
・エストロジェンの分泌促進
・男性における精細管の発育や精子の形成を促進
といった働きがあります。
黄体形成ホルモン(LH)は、
・排卵誘発
・黄体形成
・プロジェステロンの分泌促進
・男性における男性ホルモン(テストステロン)の生成と分泌を促す
といった働きがあります。
ゴナドトロピンにより、エストロジェン・プロジェステロンの分泌が増え、排卵が起こり、黄体が形成されます。つまり、卵巣機能不全以外でも、下垂体の原因がありゴナドトロピンの分泌不全によっても、不妊症になります。
また、卵巣は加齢に伴い、ゴナドトロピンに対しての反応が悪くなります。ゴナドトロピンが大量に分泌されたとしても、卵巣の反応が悪いため、エストロジェンやプロジェステロンの分泌量が増えなくなります。この機能低下状態が続くと、性周期がみられなくなり閉経となります。閉経の年齢は通常45歳~55歳の間といわれており、平均で約52歳である。卵巣機能停止により、体や顔のほてり、寝汗といった自律神経症状が出現してきます。これを更年期障害といいます。
ゴナドトロピンは排卵を促す作用がありましたが、体に中には排卵を抑制するホルモンもあります。それが、プロラクチンです。※プロラクチンについては、プロラクチンの説明ページをご覧ください。
プロラクチンは主に妊娠維持のホルモンのため、分泌量が多くなると、卵巣に働き、排卵誘発させるゴナドトロピンの作用を抑制します。このような状態を高プロラクチン血症といいます。そのほかにも、腫瘍からプロラクチンが分泌されることもありますので、それにより不妊症やED(勃起障害)になる恐れがあります。
未だ研究途中ではありますが、続発性無月経の女性で血液中のプロラクチンの増加がみられ、プロラクチン分泌減少により正常な月経周期と生殖能力が回復したという報告もあります。
検査数値についてはこちらをご覧ください。 ➡ ホルモン検査値