冷え症について
冷え症とは末梢循環障害により起こり、『通常の人が苦痛を感じない程度の温度環境下において、腰背部、手足末梢、両下肢、半身、あるいは全身的に異常な冷感を自覚し、この異常を長年持ち続ける』ことですが、統一された定義は特にありません。
冷え性には原因がわからない本態性冷え性と基礎疾患によって起こる続発性冷え性があります。
本態性冷え性は
①自律神経失調性冷え性(いわゆる冷え性)
②心因性自律神経症
があります。血管は自律神経に支配され、自律神経により血流が調整されています。その自律神経の機能異常が起こっているものを①の自律神経性冷え性になります。
続発性冷え性は
貧血症、甲状腺機能低下症、心臓弁膜症、バージャー病、閉塞性動脈硬化症、レイノー病等があります。こちらは、上記にあげた病気を治療していけば、良くなっていきます。
前述に冷え性は自律神経が関与していると書かせていただきましたが、そのほかにも月経や甲状腺といった内分泌機能(ホルモン)や心臓といった循環機能も大きく関係してきます。その為、発症時期、部位、日内・季節変動、月経異常の有無、生活歴、基礎疾患の有無といった様々なことを聞かせていただくことがあります。
鍼灸での治療法
鍼灸の治療対象は本態性冷え性のほうです。鍼や灸により、自律神経の調整や基礎代謝低下に伴うものであれば、骨盤内循環を改善していきます。
治療部位としましては、手足、腹部、腰あたりになります。また、冷え性を訴える人はストレスや筋緊張がみられることもありますので、そちらの対応も一緒に行っていきます。